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料理・食材・イタリアのこと そして世田谷での日々         
by nscc-seat92
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イタリア料理店 オステリア
エジリオ・サーラ

〒157-0073
東京都世田谷区砧8-9-8

TEL&FAX:
03-3749-3899

月曜定休

【ホームページ】
Osteria Egidio Sala

【リンク】
Ristorante Milano
シェフの修業先 北イタリア
ピエモンテ州にある
リストランテです

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イタリア 労働許可証取得物語
最近、当店にたくさんの履歴書が届きます。
夢を持った若者達からです。

志望動機の欄には必ず

「将来、イタリアで働きたい」

そう書かれています。

シェフが渡伊したのが1997年のこと。
もう10年以上も前のことなので、ほとんど利用価値の無い情報に
なっていることでしょう。

しかし、若い方達のビザ取得の一助になればと考え、
「労働許可証 取得の軌跡」 をご紹介することにしました。

※現在イタリアの法律はかなり改正されていますので、
参考程度にお読みください。




イタリアで修行したい場合、学生ビザを取得し、料理学校に
数ヶ月通った後、学校側が紹介してくれるレストランで
働くというパターンが一般的なようです。

シェフの場合、幸運なことにミラノ在住の知人の紹介で
ピエモンテ州ノバーラのシャトーレストランに住み込みで
働けることに。

お小遣い程度でしたが、給料も支給されていました。

ところが、そのレストランが数ヶ月の冬期休業に入ることになり、
突然仕事と住む所を失います。何の後ろ盾もなかったシェフは
自転車に乗り、レストランを1軒1軒訪ね、雇ってもらえるよう
直談判したのです。

そこで出会ったのが、彼の生涯の恩師である Ristorante Milano の
オーナーシェフ、エジリオ・サーラ氏です。

前のブログでも記述しましたが、紹介状もない、素性もわからない、
遠いアジアから来た彼を、まずは試用期間として雇い入れて
くれました。

そして3ヵ月後、エジリオ氏から、

「正社員として雇用するから、ビザを取得してくるように」

と告げられました。

1998年当時、レゴラーレという 「政府からの外国人への救済措置」 が
施行されていました。一定条件を満たした者に対し、期間限定で
Permesso di lavoro (労働許可証) の発行をする
というものでした。

レストランの担当会計士が仕事の合間に何日もかけて用意してくれた、
厚さ数センチにもなる書類を持って、早朝、Questura
(滞在許可証を発行する機関。入国管理所 = 管轄の警察署) へ。

そして無事に労働可能な滞在許可証が発行され、レストランで
数年お世話になることになったという訳です。

他の日本人の方達の待遇はわかりませんが、シェフは
このレストランで、イタリア人と同様 (ある時期からはそれ以上)、
きちんと給料を支給してもらっていたのでした。

滞在は5年程でしたが、税金も年金も支払っていたので、
ある年令になったら(とんでもなく少額でしょうけど)
年金がもらえるんだと、自慢しているシェフです。

当時は2年、3年、5年、そして更新10年目で永住権が
取得出来たようです。

しかし…

2001年9月11日、米国であの大惨事が起こりました。
事件以来、イタリアも例に漏れず、外国人へのビザ発給の法律を改正し、
なかなか許可証が取得出来なくなりました。

シェフの労働許可証取得までの軌跡は

「ラッキーこの上ないケース」

です。師匠エジリオ氏と出会えていなければ、今の自分は無いだろうと、
しみじみ考えるそうです。

シェフの後輩が4年前、Training Visa を取得し、数年イタリアで
修行することが出来ました。(帰国してすぐ、彼は都内の
某有名レストランのシェフに就任)こちらに関してはまた後日、
詳細をご報告したいと思っています。

また、イタリアからも情報を収集している最中です。

イタリア修行が終わってからが本当の勝負だと、
シェフは口癖のように繰り返します。

若い時の経験はいずれ財産となることでしょう。
「反省」 はしても 「後悔」 のないよう、是非頑張って下さい。

もちろん、当店も初心を忘れず、頑張ります。

皆さんの将来が前途洋洋でありますように……。
by nscc-seat92 | 2008-02-29 01:50 | イタリア
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